空港に着くと、留学先の送迎サービスの人が待っていた。案内されるままに車に乗り込むと、すでに数人の留学生が乗っていて、すぐさまUWI(西インド諸島大学)へと出発したのだった。車の窓から見える夜の街並みはとても物騒で、店はもちろん、家の前や電灯の下など至る所に青年がたむろっていた。爆音を鳴らして(レゲエ?)踊っている様子は少しクラブ感があって日本の不良とは異なるが、それでも怖い。しかし何よりも驚いたのは、乗っている車が対向車線に進入してバンバン追い越していくことだった。
何をそんなに急いでいるのか。とにかくクラクションを鳴らして猛スピードで駆け抜けていた。一歩間違えれば衝突...しない自信があるからしているのかもしれないが、本当にヒヤヒヤした。
学生寮に着くなり自分の部屋をチェック。体感温度は35度。エアコン無し、扇風機無し、共同シャワーは冷水だけ、ゴキブリは出現というロイヤルストレートフラッシュだった。10ヵ月。僕はどういう人間になるのだろう。【大野友暉】