· 

旅行先は大学(二期・村田雅則)

「旅行」と聞いてどのようなものを思いつくだろうか。家族旅行、海外旅行、国内旅行、新婚旅行、修学旅行などさまざまな旅行がある。それぞれに共通して言えることは旅行者にとって日常とは異なる場所に行くことだろう。肉体的、物質的移動を伴うのだ。普段見慣れない地に行くことは旅行の目的が何であれ、好奇心を掻き立ててくれる。

そういう意味で「大学」というのはひどく退屈な場所である。特に獨協大学は4年間同じキャンパス通うことになる。新入生として期待を胸に訪れた時はこれほどまで刺激的な場所はないだろう。しかし、春学期が過ぎる頃には日常と化し、中には通うことが億劫になる学生も出てくる。

しかし、これらの学生は本当の意味で大学を「旅行」していない。獨協大学外国語学部交流文化学科では3年次からゼミに所属することになる。私も今年からこの山口教授のゼミに所属しているが、まさにそれまで2年通っていた大学という場所が非日常となった。それは今までの自分が考えていたこと、観ていた視点が先生の指導により大きく変化したからだ。場所が変わらず日常であっても、学問によってもたらされる非日常が大学には日々存在する。まさに「知」の旅行を大学はもたらしてくれるのだ。