現在、日本全国に9店舗展開するスウェーデン発のインテリアショップ・IKEA。
店舗数は少ないが、各店の規模が大きい。なぜなら、「家具」だけを売る場所ではないからだろう。実際店舗に足を運ぶと、インテリアショップというメインの機能を持ちながら、施設内では多くの機能が「複合」しているのがわかる。
日本1号店のTokyo-Bay店に足を運び、IKEAは家具を買わずとも1日を楽しめるような、「観光施設」のひとつではないだろうかと考えた。
さて、観光要素として強く感じたものは、異文化体験が出来るという点だ。
北欧・スウェーデンという遠い場所を、日本にいながらも感じることができるのだ。
①買い物の異文化体験
インテリアは本国で実際に売られているものがほとんどである。寒い北欧地域のライフスタイルのなかで生まれたカラフルな色使いは、日本では珍しいデザインも多い。旅行に来て、現地の文化を買って帰るような気持ちで、買い物を楽しめる。また、ショッピングのシステム自体も現地のものである。(レジがベルトコンベアー式など)
②食の異文化体験
2Fにある「レストラン」ではスウェーデンの料理やお菓子がゆっくりと味わえ、そのうちのいくつかは1F「フードマーケット」と連携し、購入できるようになっている。北欧フェアに行かずとも、ここで日常的に食文化を体験することができるのだ。
③子育ての異文化体験
IKEAは目に見える形でチャイルドサポートが充実していた。
"Bay Park"という子ども向けのプレイルーム兼託児所が用意されているほか、ベビーカーや授乳室、レストラン内にもキッズスペーズが設けられており、子育て支援が厚い北欧諸国の文化を、家具屋という思わぬ場所で体験できるだろう。
以上、おおまかに分けたIKEAで感じた異文化である。
家具という生活に密接に関わるものを売ることで、自国のライフスタイルや文化をも提供していることがわかる。つまり、IKEAの複合施設としての面は、商品を売ることだけでなくスウェーデンの文化を世界に広める目的もあるのではないかと感じた。
広い意味では「スウェーデン・ショップ」という名前がしっくりくる。
IKEA Tokyo-Bay 公式ホームページ:
【おまけ】
異文化体験以外にも観光地的な見どころがある。
それは他の家具屋と比べても規模の大きい実演型ショールームである。
すべて自社製品を使った50程のパターンの部屋が用意されており、実際部屋に入ってシュミレーションができるというもの。
ここで注目したいのはイケアがデートスポットとしての機能も持つということである。一緒に住まない人たちが、同じ部屋という空間で多様な疑似同棲体験を楽しむ、一種のアミューズメント的空間にもなっている。お互いの趣味を確認する場にもなるので、ぜひ大切な人と行ってみてはいかがだろうか。
※画像右は映画「(500)日のサマー」のワンシーン。