7月下旬、夏の真っ盛り。一日以上ものフライトを終え、やっと着いた。血湧き肉躍る腕の袖を捲るも、迎えられたロンドンの空気はひんやり肌寒い。
16世紀、世界の中でも早く「都会」として成立したロンドン。人混みで賑わう都会は苦手だな・・・それに料理はまずいって聞く・・・何も知らない私が来る前に抱いていた淡いイメージだ。
中心地を歩いていると、歴史漂う古風な建築物と尊大に構える現代の高層ビルが融合しているのが見える。いわゆる観光スポットは大勢の観光客で賑わうし、空気は新鮮だといえない。それでもロンドンの47%は緑と言われるほど、自然と人間が共存する公園や緑の道で溢れ、どこか心落ち着けるところもある。
最終日はガイドブックやスマートホンを置いて、観光客の流れに逆らいながらテムズ川に沿って歩いてみる。人通り少ない静かな住宅地。地元の人で賑わうパブ。町の空気に体が集中する。ふと見ると、川辺にはゴミが溜まっていた。もう少しで、ロンドンの水道水がこのテムズ川からきていることを忘れそうであった。