9月18日。じりじりと肌を焦がす日差しと、うだるような暑さで汗がこぼれ落ちる。こんな真夏日でもPapine Marketは賑わっていた。大学から1キロもしない場所にあるこの市場では、野菜から家電、生活用品まであらゆるものが揃う。どこの店をのぞいても、お世辞にもキレイとは言えないが、以前紹介したSoverineより費用を抑えることができる。
太陽が眩しい。日差しを避けるようにして、ドーム型の八百屋へ入る。うっ...なんだこの臭いは...?湿気った土のような臭いとたかるハエ。奥へ進むと山盛りに積まれた野菜や果物が広がっていた。店員から「何が欲しいんだ?」と声をかけられる。「あ...じゃあ生姜と玉ねぎをください」と反射的に答えてしまった。「衛生的に大丈夫なのだろうか?」と疑問が浮かんだが、加熱すれば平気だと自分を言い聞かせた。
野菜だけでは物足りない。近くの精肉店へと向かった。金網の中の小さな窓口にお金を渡し、受け渡し口から商品を手に入れる。この一連のやり取り、ものすごく時間が掛かる。昼時だったことも相まって、店内は歩けないほど混雑していた。まどろっこしいシステムだなぁと感じたが、防犯を考えたら仕方のないことなのかもしれない。
この5日後、Papine Marketで銃殺事件が起きる。あの金網はあるべくしてあるのだということを痛感した。事件に巻き込まれず本当に良かった。 【大野友暉】