ヤ、ヤギ...?なぜ学内に?寮へ帰る途中、学生センターの前でヤギの群れと出会った。葉っぱをムシャムシャと食べ、道路を堂々と歩いている。周りの人も特に驚く様子は無く、平然と過ごしている。ジャマイカでは普通のことなのだろうか。野生なのか飼育されているのか分からないが、飼い主らしき人は見当たらなかった。
この大学には野良犬や野良猫はもちろん、マングースやオウムなどたくさんの動物が生息している。どれも保護されているわけではなく、放置されているようだ。学生・教員ともに関心を示している人は見られない。
だが僕は猫を見かけるとつい立ち止まってしまう。猫を眺めていると心が和む。切れ長の目とピンと張ったヒゲ、音を立てずにこっそり歩く姿を見ると、どこか懐かしい気分になってくる。そういえば、いつも玄関で出迎えてくれていた我が家の猫は元気だろうか。
部屋に戻る。ゴキブリが出迎えてくれた。一年を通して中南米に凍えるような季節は無い。虫には絶好の場所なのだろう。少しは慣れてきたが、これが「当たり前」になるのはあまり想像したくない。 【大野友暉】