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3.泊まりたくなる安価宿―9hours

 年末年始、終電を逃す飲み会も多いのではないだろうか。そんなとき、朝までの選択肢は?

カラオケやネットカフェを探して彷徨うも、皆同じことを考えるのかどこも満席だ。

ビジネスホテルやタクシーが高いならば、利用するべき施設がある。

 

9h(ナイン・アワーズ)というカプセルホテルだ。

↑神田ウーマン店は女性専用カプセルホテル。             ↑アメニティにタオルや歯ブラシ、寝具も。

 

現在、都内を中心に6店舗を構えており、京都や成田空港内など観光客を意識した展開も見られる。

カプセルホテルと聞くと、90年末生まれの私は、同世代はそもそも使ったことがない人が多いのではないかと考える。そのうえ、率直なイメージといえば「安いが狭く汚い、防犯面も不安」であった。しかしここはそんなステレオタイプなイメージを払拭し、その先を提案する。

 

アプリで予約し、チェックインを済ませると、QRコードとWi-Fiコードが印刷されたカードが発行される。そのカードでロッカーを開き、荷物を預ける。

入った途端テクノロジーに溢れた空間に戸惑いながらも、エレベーターで寝室へと向かう。

 

 

ドアを開けると、宇宙船のような空間が広がっていた。

まるで施設全体がSFアトラクションのようである。

 

子供心が刺激され、すぐに秘密基地のようなカプセルに入りたくなる。各部屋の大きさは、通常のシングルのマットレスに体育座りをしても余裕のあるほどの高さだ。充電やWi-Fiの設備も揃う。

 

宿泊(本来の目的)+観光的要素(付加価値)として見て考えると、ゲストハウスとは真逆の温度を持ちながらも同じ要素が複合しているように思える。泊まる場所が観光地になれば、1日の終わりまで余すことなく楽しめるだろう。

 

施設内は明らかに文字が少なく、国籍を問わない数字や記号が多様されていた。(シャワーの場所にはシャワーのマーク、トイレには人型の記号など。)

無機質なデザインながら、情報量には過不足が無い。必要最低限の目的だけのスマートな空間を見ていると、情報に溢れた都内ではシンプルさが求められているのかもしれないと感じた。

 

宿泊はもちろん、「仮眠」としても1時間1000円からシャワーなど宿泊同様のサービスが受けられるという。お手軽な価格で、他のどこにもないカプセルホテル体験をしてみてはいかがだろうか。

 

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<おまけ>

QRコードでロッカーを開錠する図。

日常生活でテクノロジーに慣れているはずでも、なんだかワクワクする。

 

ちなみに9hoursの由来は、公式サイトによると

古い1日から新しい1日へのリセットに必要な3つの基本的な行動

1h(汗を洗い流す)+7h(眠る)+1h(身支度)を合わせて、9hとのこと。

 

なんでもない日に宿泊してみたい。


9h(ナイン・アワーズ)公式サイト:https://ninehours.co.jp/