2月6日。寮で「結婚式」が行われた。新郎役は、僕だ。
「TOKYO RUNWAY FASHION SHOW」は、日本をモチーフにした寮のイベントである。各クラスター（A棟、B棟みたいなもの）から男女一人ずつ代表者を選んで、ファッションショーを行っていく。ただし、服はリサイクル用品から作ること。また、女性の服には「折り紙」の要素もプラスしなければならない。
自分の所属するクラスター７では、「カリブの花嫁＆日本男児」をテーマに準備が進められた。相手役はトリニダード・トバゴ（カリブの他の国）出身のAshail。ドレスには国旗カラーの赤・白・黒が用いられた。本番が始まる。順番は２番目。日本の定番曲、木村カエラの「Butterfly」を流して登場。リアルな日本に寄せて、パフォーマンスを行った。
テーマは「結婚」でなくてもよかったらしい。他のクラスターはサムライやゲイシャなど、ジャマイカ目線の「日本」を思い思いに表現していた。中でも面白かったのは、駕籠から出てきて、派手に踊り始めた女性。キモノを着ていたが、ダンスはジャマイカのそれで、日本らしさはほとんどない。しかしながら、盛り上がる会場。ここにきて、皆が求めているのは「日本」ではなく、「ジャパン」だとようやく理解した。
結果として、自分のクラスターは優勝を逃す。僕はまだ、日本に精通していないらしい。もっと日本の文化を勉強してから出直してきます。 【大野友暉】
