次の飛行機まで30分。やっと探していたイミグレーションに辿り着いた。すこし混雑している。やはりカナダ有数の都市であるバンクーバーからこの国に入国する人は多いらしい。
残り20分。全然進まない。職員の人たちが楽しそうにおしゃべりしている。
残り10分。これからカナダに住む許可をもらう移民の人たちがたくさんやってきた。まずい。
残り5分。あと1人というところでアクシデントが発生した。どうやら渡すビザを間違えてしまったらしい。職員の人たちが大急ぎで既に部屋から出ていった男を追いかけていく。
それから20分後、やっと僕のワーキングホリデービザが受理された。
こうして僕はバンクーバーから目的地であるカルガリーに向かう乗継便を逃したのだった。
思えば成田にいる時から嫌な予感はしていた。
荷物検査で何かが引っ掛かり、「鞄を開けていいか?」と、日本人スタッフに英語で聞かれたのを皮切りに僕の歯車は狂いだす。
飛行機に乗り込むと席には先客がくつろいでいる。その飛行機は1時間以上遅延した。カルガリーの空港ではエリー(推定70歳を超えるおじいちゃん。空港に着いた人々をホームステイ先まで届けるのが彼の仕事だ。)と無事に会うことができた。しかしそれも束の間、彼が記念に写真を撮ろうと言い出したものの、「new technologyはわからない」と、なかなか年季の入ったデジカメを片手にあっさりとあきらめの宣言を下す。ホームステイ先に向かう道中では車のフロントガラスにひびが入った。
こうして日付変更線をまたいだ長い長い3月8日はあっという間に過ぎていった。
恋をしたり、終バスを逃したり、失恋したり、また終バスを逃したりしているうちに到着してから1カ月以上が過ぎてしまいました。今のところ片思いです。これから現地支局員第三号としてカナダはカルガリーからブログを更新していきます。CHECK IT OUT!!!!! 【染谷祐希】
左から、(1枚目)ツーリズム地誌論で研究した北西海岸インディアン風のオブジェクトをバンクーバー空港内で発見するもじっくり見ることはできなかった。(2枚目)公衆電話と小一時間の格闘の末ようやくエージェントに連絡を取ることに成功する。(3枚目)到着2日後にiphoneが本領を発揮した奇跡の写真。