「Hola!」で始まり「Chao!」で終わる日々。そして挨拶の抱擁とキス。
カルガリーに到着してから一週間、僕は英語の語学学校に通っている。はずなのだが、なぜだろう。校内は行き交うスペイン語で溢れている。
それもそのはず。僕の学校は比較的小規模で常に50人程しかいない.その半分以上を中南米地域から来たいわゆる”ラテン系”の人々が占めているのだ。彼らはスペイン語を話すメキシコ・コロンビア人と、ポルトガル語を話すブラジル人に分けられる。ただこの二つの言語はいとこのような関係らしく、お互いが自分の言語を話していてもだいたい通じている。僕が韓国語を聞いてもちんぷんかんぷんなのとは大違いだ。今のところ似た言葉は「乾杯」と「東方神起」しか見つけられていない。(韓国語ではそれぞれ「カンベイ」「トンバンシンギ」と発音するらしい)
それにしても彼らはよくしゃべる。英語だろうと母国語だろうととにかくしゃべる。日本ではおしゃべりな方だと思っていたが、僕なんて屁の河童だ。
ある日突然、「ビール好きだよ!」とスペイン語で言ってみた。その場にいた5,6人みんなが振り向く。どうやらすペイン語を知っていること、そしてビールを飲める年齢であるということに驚いたらしい。なんでも16~18歳にしか見えないという。複雑な気分だ。今度一緒に飲みに行こうよと誘われる。よかった。何とか打ち解けられそうだ。細々とスペイン語を習った僕の大学生活もどうやら無駄ではなかったらしい。ありがとう。スペイン語の先生たち。
Chao! 【染谷祐希】