春の便り

 もうすぐ衣替えの季節だろうか。4月の中旬にもなりやっと最高気温が0度を下回ることも少なくなってきた。カルガリーに来てからというもの、日中の気温が4度くらいまで上がればとても暖かく感じる。寒がりの僕も1カ月ほどの滞在でだいぶ体が順応してきたようだ。

 そんな春の訪れを感じながら4月15日、僕は「AGGIE DAYS」というフェスティバルに足を運んだ。

 「AGGIE DAYS」は毎年1回この時期に開催され、カルガリーの主要産業である畜産業を紹介するイベントだ。牛や羊など様々な動物に直接触れたり、パネルを読んだりすることで、子どもはもちろん大人も畜産業への理解を深めることができる。

 しかし、何と言ってもこの催しの最大の目玉はHORSE RACEだ。騎手と馬がぴったりと息を合わせ、障害物を避けたり技を披露しタイムを競う。上手くいってもいかなくても、会場からは歓声が巻き上がり、場内は温かい拍手に包まれる。2週間前に観戦したアイスホッケーの試合とは大違いだ。その時は地元チームが負けていたこともあり観客は静まり返っていた。

 そういえば最近はホッケーのユニフォームを着ている人よりもカウボーイハットを被った人の方が増えてきた気がする。プレーオフ進出の望みは薄く、カナダの国技であり、冬の代名詞でもあるホッケーのシーズンがもうまもなく終了する。

 歴史的な寒さによって人々の心に重くのしかかっていた蓋は外れはじめ、雪解け共にに泥まみれだった街もだいぶきれいになってきた。

 長い長い冬がようやく終わろうとしている。【染谷祐希】

(1枚目)これからHORSE RACEに臨むカウガール達。地元出身者だけでなく、海外からの参加者もいた。(2枚目)馬の筋肉を説明する模型。馬刺しにしか見えなかったが、一緒にいた友達に以前「生の馬は美味い」と伝えたらドン引きされたのでここはぐっと堪える。