· 

地図の使い分け(三期・相田夏)

 

地図の使い分け

 

 

 

 

 

    知らない土地に行く。地図アプリが大活躍する。必要なのは現在地と目的地の入力のみ。なんて便利なんだろう。

 

 

 

    しかし、この利用法では地図の醍醐味を味わうことは難しい。地図の活用は辞書と同じだ。使い分けが効果を生む。ルート検索はいわば電子辞書である。重要な事は、ルートに沿う事。そのため、必然的に画面とにらめっこ状態になる。迷う確率は格段に下がるが、新たな発見はあまり期待できない。

 

 

 

    一方、自ら経路を選ぶ方法もある。こちらは紙辞書タイプであろう。確かに手間はかかる。だが、俯瞰的に地図をみることになるだろう。最短ルートには含まれないが興味深いものを発見するきっかけになり得る。案外、一本道をずらすだけで、面白い物に出会えたりするのだ。

 

 

 

    普段、便利さだけを追い求めすぎていないか。急ぎの用事の時はルート検索。時間に余裕がある時は自由散策。このように地図を使い分けてみる。単なる移動にも多様性が生まれるかもしれない。