夏だーー!!

 待ちに待った2週間がいよいよ始まった。7月6日、世界最大のアウトドアショー ”Stamede Festival" が幕を開けたのだ。どれほどこの時を待ち望んでいたことか。それもそのはず、このお祭りはカウボーイのお祭りであり、この写真を見たからこそ、僕はカルガリーに来ることを決めたのである。にも関わらず、初日の朝にしか開催されない、たくさんの馬が街を練り歩くパレードを、寝坊のために見逃したなんて口が裂けても言えない。

 なんとも情けないヘマをやらかした僕だったが、ここでさらに問題が発生する。祭りの全てがべらぼうに高いのだ。まず入場するのに1500円ほどかかり、中に入ればご飯やらアトラクションやらでどんどんお金が減っていってしまう。結局初日に食べたものはコオロギのサンドイッチくらいだった。そこでとった行動が ”無料チケットゲット作戦” だ。Stampede開催中、特に平日の午前中になると無料券が配布される。その情報を仕入れた僕らは、各々学校や仕事の前に一回無料で入場してスタンプをゲットして、また夜に集合するというものだ。このおかげでお金を幾分か浮かせることに成功した僕は、お祭り期間中に計6回も入場することができた。

 流石は世界最大のアウトドアショーであり、カルガリーで唯一と言っていいほどのビッグイベントだ。街中に人が溢れかえる。その来場者数はなんと100万人だという。道理でジーンズまたはホットパンツにチェックシャツ、そしてカウボーイハットを着飾ったカウボーイ・カウガールたちがわんさかいるわけだ。(そしてブロンドの髪をなびかせながら、街を闊歩する彼女たちの姿は、とてもとても目の保養だったとさ。)

 そうは言っても牧場育ちのカウボーイたちのかっこよさは段違いだった。僕が彼らの姿を目の当たりにしたのはロデオの時だ。今まで培ってきた、経験と知識と技術、そして運。己の持つ全てを駆使して ”戦い” に挑む彼らの勇姿を表す言葉は ”かっこいい” 以外に浮かばなかった。炎天下の中、戦士たちの姿を目に焼き付けた。ほんの数十秒のうちに、次から次へと参加者が入れ替わるその競技をスタンディングで応援していたわけだが、気づけば見始めてから4時間が経っていた。

 7月1日の CANADIAN DAY から始まったカルガリーの夏は、ちょっと早めの最盛期を迎えていた。その時、僕の心の体温計も摂氏100℃を指していた。 【染谷祐希】

(1枚目)日本語だと”世界最大”と訳されることが多いみたいだが、個人的には“世界最高”の方がしっくりくる。(2,3,4枚目)おわかりいただけるだろうか。このカウボーイハット率の高さを。白い帽子はカルガリアンのトレードマークだ。