#ロッキーしてるわー

 Stampede期間中の週末、僕はバスの中にいた。行き先はそう、ロッキーマウンテンだ。

 以前紹介したように僕が住んでいた部屋はとても汚い。その反動か、綺麗で美味しい空気を吸いたい欲がどんどん高まっていったのだった。皆祭に夢中で普段より空いているだろうと見込み、友達を誘って、朝早くに家を出た。

 カルガリーからロッキーにあるバンフ国立公園までは約100km。バスでだいたい1時間半程だ。そして今回見つけた On-it というバスがすごい。往復たったの20ドルで、Wi-Fiが完備されているうえに、そのチケットがあれば、国立公園内のダウンタウンを走るバスとも併用できるという優れモノだ。なんでも国立公園内での渋滞多発による、環境破壊を防ぐために、この価格設定が実現したのだという。

 快適な車内で熟睡し、目が覚めた頃にはバンフのダウンタウンに到着していた。このバンフという街は1883年に大陸横断鉄道(なんとも興奮させられる響きだ。)の建設中に温泉が発見されたのが始まりなのだそうだ。その4年後にはカナダ初の国立公園に指定され、今ではロッキーマウンテンを楽しむには欠かせない山岳リゾートとなった。それにしても大自然のど真ん中に、こんなにも綺麗で整備された街が突然出現するのだから驚きだ。

 ダウンタウンでお腹を満たしたら、さあ、出発だ。この日は不思議な青緑色をした湖、レイク・ルイーズが目的地だ。ダウンタウンから更に60km奥に入ったこの湖にも、往復10ドルのバスで訪れることができる。いざレイク・ルイーズに到着してみると、さっきまでの青空はどこへやら。ぷくぷくに肥えた曇天が広がっていた。またかと思っていると、まさかの土砂降りに。自分の天気運のなさにがっかりしながらも、せっかくなので湖の周りをハイキングすることにした。するとどうだろう。余りの美しさ・壮大さになかなか歩みが進まない。湖畔の端に到着したころには、なんと晴れ間も出始め、視線の先には巨大な氷河が姿を現した。

 こうして今回もカナダの自然をすっかり満喫することができた。しかし、環境にもお財布にも優しいバスを見つけてしまった僕は、ほぼ毎週末バンフに行くことになるのだった。 [染谷祐希]

(1枚目)こちらがそのOn-itバスだ。残念なことに夏季限定のため現在は運行していない。(2枚目)見よ!この壮大な景色を!(3枚目)この遺跡のようなものは登山者にはお馴染みだというケルンだ。山頂や登山道でよく見られる道標だという。見た瞬間なぜだかテンションがMAXになった。(4枚目)Instagramのフォロワー約4000人の写真家に撮ってもらったレイク・ルイーズ。とても美しい。(5枚目)高級ホテル Fairmont Banff Springs ホテル。このお城のような出で立ちに引き寄せられ、トイレをお借りしたついでに最上階まで潜入することに成功した。一泊いくらか聞いてみると、なんと一人1000ドル、日本円にして約87,000円(9月25日現在)もする。