幸せだ。これ以上の幸せがあるだろうか。
ファームでの生活は9月7日から始まった。最寄りの町、Bonnyvilleから車で30分ほどの所に今回の牧場はある。
ファームのホストはTanyaという女性だ。カルガリーのホームステイ先のマザーも夫と離婚していたのだが、彼女もまたバツ1だ。そして口がとても悪いという共通点も併せ持つ。
主な仕事は、餌やりなどの基本的な動物のケアと、掃除や片付けといったマザーの手伝いだ。
仕事と言っても給料はもらえない。働く代わりに食事と住む所を提供してもらう、いわゆるファームステイだ。特にこれといったスキルを持ち合わせていない身としては充分すぎるくらいだ。
朝は思ったより早くない。9時くらいに動物たちに餌を与えることが、1日の始まりだ。夜もだいたい5時か6時には、その日の仕事は終わる。
そして毎日動物たちに囲まれている。犬猫馬ロバ鳥鳥鳥。あとバイソン。暇さえあれば彼らの所に行く。最初から懐いてくれることへの嬉しさもあれば、少しずつ馴れてくれることへの嬉しさもある。とどのつまり、まあとにかく嬉しいのだ。
ちなみにカウボーイを目指して来たものの、ここに牛はいなかった。つまりただのボーイにしかなれないのだった。【染谷祐希】
(1枚目)CalgaryからBonnyvilleに向かうバスの経由地、州都Edmontonのバスストップ。夜の12時に着き、朝6時のバスに乗る。ここで泊まれるかと思っていたが1時に閉まってしまうとのこと。大荷物を抱えて、歩いて20分ほどのマクドナルドに行くも、24h営業なのはドライブスルーだけと告げられる。「そこをなんとか~」と頼み込み、何とか野宿をせずに済んだ。人の優しさを感じた夜だった。(2,3枚目)こちらが牧場。まだ9月だというのに雪が降った。ファームの面積は160エーカーだという。この単位をプーさん以外で聞いたことがなかったので、調べてみると、なんと東京ドーム約13個分もある!!