雨季の前、この時期に毎年グアダラハラで起こるもの。森の火事だ。常に晴れ渡るグアダラハラの空が、一面白い煙に覆われる。消火に1日かかるような大規模の火事が、今年はすでに2回も起きている。汚染警告が出て、付近の学校は休校になるほど。そこに何か建設しようと、お金目当ての人々が火を付ける。
森を広めるため、広げるために活動するあるボランティア団体に参加した。水が必要な木のためにペットボトルで装置を作り、バケツリレーでトラックが進めない奥まで水を運ぶ。コーヒーのかすを砂糖と混ぜて窒素を作り、撒く。雨季には木を植える。専門家とともに活動する彼らは、木が独り立ちできるようになるまで自然な方法で手伝いをする。
育つまでの長い時間と反対に、木が燃えるのはほんの一瞬だ。団体の活動拠点となる森でも、マツの木がたくさん燃やされてしまった。前まで確かに元気で、涼む絶好の場だった。木は真っ黒になり、葉は焼けてしまった。集中的に作業すると、数週間後には緑色の新芽が出た。悲しみが大きかった分、喜びもそれだけ大きい。
都市開発やがん発症率の高さ、水の使用などさまざまな問題を抱えるグアダラハラでは、森が必要なのだ。そんな大切な森を守る団体は「木を一本燃やされたら、十本植える」と教えてくれた。木も彼らも強いから、悪になんて負けない。