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「日本」の基準(三期・岩田和真)

「同じ日本とは思えない場所です!」その日本とは何処の事を言っているのだろう。

 

 秘境といってもだいたい人は住んでいるものだ。そんな彼らも私達と同じように自らの地元を「秘境」だと思っているのだろうか?”隠れた絶景スポット”で生まれ育つ者がいるとすれば、その絶景スポットは彼らの遊び場で、仕事場であり、散歩ルートでもあるはずだ。

 

 つまり私達の日常から離れてしまったものが「秘境」となる。いつでも誰とでも話せる携帯電話、毎回同じおにぎりが食べられるコンビニ、最低でも15分以内にやってくる電車、それら「日常」からかけ離れたものが「秘境」と呼ばれるのだろう。日々アップデートされる私達の日常から見たそんな場所は、「同じ日本とは思えない」ものとなる。

 

 光速の通信や時速300kmの鉄道の支える「日本」のハードルは上がってゆく。そして私達の「秘境」はどんどん増えてゆくのだろう。