首都高をはじめて運転した時の衝撃は忘れられない。
「え?え?!いま?いま?」半ば叫びながら同乗者に確認し、なん とか合流。さて一息、という訳にもいかず、待っていたのは延々と 続く急カーブ。どのくらいハンドルを切れば良いのかさえ分からな いのに、スピードを落としてもいけない。恐怖から、 汗が止まらない。東京都よ、なぜこんな造りにしてしまった?
その答えを知ったのは、電車から首都高が見えた時だった。首都高 の真下にあったのは、土手。どうやら土地を買う必要がないという 理由から、首都高の一部は川や幹線道路の上であることを前提に建 設されたらしい。最速ルートにもかかわらず川の流れに左右され、 遠回りをしていると思うと可笑しかった。
だが、これは首都高に限った話ではないのかもしれない。獨協大学 前駅から大学のまっすぐに延びる道も、信号を渡り、階段を上り、 学生センターの前を曲がって、はじめて学校に着く。近道に見えて もどこかで遠回りをしなければ、目的地に着くことはないのだ。
首都高がトラウマになったわたしは、今日も下道で東京を走る。こ の世には遠回りしか存在しない、そう言い聞かせながら。
「え?え?!いま?いま?」半ば叫びながら同乗者に確認し、なん
その答えを知ったのは、電車から首都高が見えた時だった。首都高
だが、これは首都高に限った話ではないのかもしれない。獨協大学
首都高がトラウマになったわたしは、今日も下道で東京を走る。こ