私は何事も習得するのに時間がかかる。
ダンス部だった中学時代、振り付けを覚えるのが同期の中で1番遅かった。直ぐに動けず足を引っ張り、毎回落ち込んだ。皆と同じスタートラインに立ち、同じ習得というゴールへ向かう。それにも関わらず私のスピードは遅く、皆との差が開いていく。焦るばかりで中々進まない。
遂に追いつけない辛さが限界に達したときだった。自分の遅さを認め、追いかけるのを辞めた。私は敢えて皆と一緒のコースから外れ、遠回りしてゴールを目指すようにした。周りに合わせず自分がやりたいときに練習し、自分が気になる振りだけを踊り続ける。すると思い切りダンスを練習できるようになり、気づくと踊れるようになっていたのだ。私は確かにスピードでは劣る。しかし、ゴールまでの道のりを誰よりも踏みしめている。それはやがて自分の自信へと繋がるのだ。
私は何事も習得するのに時間がかかる。誇らしげなゴールのために。