カテゴリ:メキシコ



2019/05/18
 “Jalisco es México”というのが、ハリスコ州(グアダラハラはハリスコ州都)が掲げる観光スローガンだ。「ハリスコはメキシコ」という意味で、メキシコらしいものはここに集まっていると謳う。その大胆さに、ハリスコ州の自信が覗く。...
2019/05/18
 雨季の前、この時期に毎年グアダラハラで起こるもの。森の火事だ。常に晴れ渡るグアダラハラの空が、一面白い煙に覆われる。消火に1日かかるような大規模の火事が、今年はすでに2回も起きている。汚染警告が出て、付近の学校は休校になるほど。そこに何か建設しようと、お金目当ての人々が火を付ける。...

2019/05/18
 メキシコ料理はおいしい。中でもタコスとコーラの組み合わせは最高だ。ただ、カロリーが高いことが難点である。メキシコ料理にトウモロコシの粉masaは欠かせないけれど、形成するためにラードが使われている。それをさらに揚げてあるものもあり、油の存在が強い。代表的なメキシコ料理ばかり食べているから、最近全く野菜を食べていない。大根の煮物が恋しい。  食品のパッケージには、わかりやすいカロリー表示が義務付けられている。嫌でも目に入るから、初めてカロリーというものを気にするようになった。公園には、遊具のほかに体を鍛えるための器具がずらりと並ぶ。毎週日曜は各地の大通りが、サイクリングやランニングをする人のために開かれる。それでも、3人に1人は肥満という実情だ。  それ以上に「表示のない」食事が多い。あまりに手軽な外食の舞台である屋台やレストランでは、カロリーを教えてくれない。メーカーのトルティージャの袋にはカロリー表示があるけれど、それよりも広く流通している手作り店のものにはない。友達によると、メキシコ人は生後6か月頃からタコスを食べ始め、歯のないおじいさんもまだ食べ続けているという。容易には変えられない生活スタイルそのものが、根源なのかもしれない。  私のお気に入りのひとつ、ハマイカjamaicaという真っ赤のハイビスカスの手作りジュース(なぜかジャマイカという)。コーラと同じくらい定番の飲み物である。ほかには、オルチャータhorchataやタマリンドtamarindoが代表的な味だ。砂糖がたっぷり入っていて甘いのに、これらをアグアagua(水)と呼ぶ。水で作ったジュースだから、水なのだ。メキシコではタピオカではなく、日常的にこのアグアを片手に歩く。水だから、カロリーなんて気にならない。 【大沼歩実】
2019/04/21
 ルチャリブレlucha libreを観に行った。いわゆるメキシコのプロレスだ。メキシコシティが聖地とされているが、グアダラハラでもArena...

2019/04/20
 前学期、「メキシコの遺産管理」の授業を受けた。初めに、UNESCOが公式に出している文書を読み、遺産とは何かを知った。また数あるメキシコの遺産について課題で先取りし、授業で深めていった。メキシコでは、INAH(Instituto Nacional Antropología e...
2019/04/06
 「メキシコの春、何か見つけた?」という友達の質問に、今は春だということを思い出した。2月下旬から、日中30度を越えるようになった。朝晩は10度前後まで下がるから、暑さが嬉しい。晴れ渡る空が清々しくて、毎日心も晴れる。冬は今よりも少し気温が低いくらいで、特に変わりはなかった。寒い中布団と戦う必要がなく、穏やかな冬だった。メキシコは、暖かくて過ごしやすい。  今はたくさん花が咲いているのが「春らしい」ところかもしれない。見慣れない花がたくさんあって、楽しい。よく見かける大きな木ハカランダjacarandáは、日本でいう桜のようなものだろうか。花びらが散って、まわりに紫色の絨毯が広がる。赤やオレンジ、ピンクと明るい色の花が多い。  花が咲いているとはいえ、もう木々は茂っていて落葉まで見る。とにかく暑い。もう夏だねと言うと決まって春だよと返される。メキシコ人の季節観では、暑いのが春、雨が降りだんだん涼しくなっていくのが夏らしい。確かに、去年到着した8月頃には雨がよく降っていた。また寒いのが秋、より寒いのが冬らしい。旬の果物や花によっても季節を感じるそうだ。そういえば冬は市場でマンゴーを全く見かけなかったが、最近売られ始めた。いつの間にか季節が変わっていた気がするが、言われてみれば納得だった。はっきりとした四季のある日本とは異なる1年が流れている。そして、ここで生きる人だからわかる変化がある。  季節とは「四季の、そのおりおり」。世界には異なる気候があり、また季節は移り変わる。しかしそれぞれの「移り変わり」は、変化を知っていなければわからない。一年を通した生活の中にあり、その地で暮らしているからこそ楽しめる。旅行だけでは気付けなかったメキシコに、また出会えた。

2019/03/06
 「からい」という言葉を耳にするのに気が付いたのは少し前。全く同じアクセントに、ピリッとする食べ物を想像してしまう。だが会話の途中で登場するその言葉、まさか日本語として使っているわけはない。調べてみるとその正体は、”¡Caray!”という間投詞だった。スペイン語で、驚きや感動などを表す俗語だ。...
2019/02/17
 セネガルにあるレトバ湖にいつか行こうと思っていた。嘘のように一面ピンクの湖である。しかし、メキシコにも同じようなピンクラグーンなるものがあると聞いて、奇跡だと思った。今、手の届くところにピンクの楽園がある。行く以外の選択肢はなかった。...

2019/01/15
 私が訪れていたのは、「キューバ」だったのだろうか。...
2019/01/08
 冬休みを利用して、キューバにやってきた。寒さを苦手とする私にとって、楽園のように暖かい。足をのばしてカリブ海での休暇、空模様を見るだけでも胸が躍る。そんな私をクラシックカーが迎えてくれた。60年前のものだそうで、年季の入ったエンジンは起動に時間がかかる。街並みは、メキシコと似ているようで何かが違う。違和感も覚える。それはなぜか、すぐにわかった。広告がないのだ。メキシコではよく命令形で宣伝してくる看板やトラックについ目を留めてしまうが、ここでは情報量が圧倒的に少ない。ときどき、キューバの国旗や英雄たちの顔や言葉が並べられた看板を見かけるくらいだ。これが、社会主義国というものなのだろうか。到着してすぐに、それを目の当たりにした。  しかし観光地として、楽しみは盛りだくさんだ。まず、旧市街オールドハバナ。多くの観光客や観光バス、タクシーが古い街並みと混ざり合っている姿は、現代的だ。歩いていると、常に「タクシー?」と声をかけられる。お土産屋のショーウィンドウを横目に、建物が並ぶ通りを歩き回る。どこまでもお洒落なつくりを、たくさん写真に収める。やはり暑く、木陰で涼める広場がありがたかった。しかし、海がすぐ近くにあり、開放的な雰囲気で気持ち良い。ホワイトハウスを真似て作ったという圧巻の旧国会議事堂、Capitolio。中心にあるキューバの国旗が、風でゆっくりとなびいている。また、要塞があるというのが新鮮で、その眺めは堂々としていて力強い。ハバナには3つ要塞があり、守られるべき地であったことがうかがえる。ハバナ湾を隔てて立つカバーニャ要塞は、手芸品の国際展示会で賑わっていた。要塞の広さを利用して、定期的にこのような催しが開かれているそうだ。一方でまだ残っている大砲、その先に見えるハバナの夜景はとても美しかった。  トリニダーにも訪れた。ガイドブックにはこう書かれていたが、伝えるためにはトリニダッ(ダにアクセント)のほうが良さそうだ。サトウキビのプランテーションで栄えた古い町で、近くにある渓谷とともに世界遺産に登録されている。続く石畳にコロニアル建築。カラフルな壁と煉瓦の屋根との組み合わせが、ヤシの木に似合っている。歩いていると、自分がいつの時代にいるのかわからなくなる。そこに馬が通ると、いよいよタイムスリップしたような気分だ。奴隷を用いた砂糖業が繁栄したことで社会的に発展できた、と博物館の展示にあった。塔の上から見えるこの素晴らしい景観も、歴史あってのことなのだ。私が休んだ広場では、かつて奴隷売買が行われていたそうだ。レストランから聞こえてくるキューバ音楽は、陽気な旋律の中に悲しさも感じる気がした。【大沼歩実】

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